『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』 ('09初鑑賞149・劇場)

☆☆☆☆☆ (5段階評価で 5)
10月11日(日) シネ・リーブル神戸 シネマ1にて 14:40の回を鑑賞。
解説:
2009年に、生誕100年を迎える文豪・太宰治の同名短編小説を、『雪に願うこと』の根岸吉太郎
監督が映画化した文芸ドラマ。
戦後の混乱期を背景に、道楽ざんまいの小説家の夫に振り回されながらも、明るくしなやかに
生きていく女性の姿を描く。逆境の中でも活力にあふれるヒロインには話題作への出演が相次ぐ
松たか子、太宰を思わせる小説家に『モンゴル』などで海外でも評価の高い浅野忠信。
さらに室井滋、伊武雅刀、妻夫木聡、堤真一ら豪華共演陣が脇を固める。
あらすじ:
戦後の混乱期、酒飲みで多額の借金をし浮気を繰り返す小説家・大谷(浅野忠信)の妻・佐知
(松たか子)は、夫が踏み倒した酒代を肩代わりするため飲み屋で働くことに。
生き生きと働く佐知の明るさが評判となって店は繁盛し、やがて彼女に好意を寄せる男も現れ
佐知の心は揺れる。そんな中、大谷は親しくしていたバーの女と姿を消してしまい……。
(シネマトゥデイ)

ここ最近観た映画の中で、もっとも映画らしい映画でした。(^-^)
太宰治の著作は、「走れメロス」ぐらいしか読んだことがありません。
TV番組などで太宰治の生涯を知って、この人のどこか刹那的・退廃的な生き方に
共感などできるわけもなく、著作も読む気すら湧きませんでした。(^^;;
さて、映画は映画として楽しむべきもの。
浅野忠信が演じるのは、原作者・太宰治、そのまんまの人物:大谷。
ちょっとは名の通った物書き。でも家には一切金を入れず、遊び歩いて、借金をつくり
ついには、飲み屋の金を盗んで、家まで逃げ帰って来るところから始まります。
浅野さんは、物書きにしてはこぎれいすぎるなぁ~(無精ひげひとつない)とは思いますが
酒に酔ったときの演技など絶品でした。また、義太夫を唄うところも見事だと思います。
でもこの作品の主役は、松たか子さんが演じる、妻:佐知。
こんなどうしょうもない夫のために借金を返すため、飲み屋で働くことになりました。
全然暗さがないんですよね。
この佐知の、人間的な明るさというか、ダメ夫をも包み込んでしまう包容力というか
とても素敵でありました。(^-^)
松たか子さんの演技力も素晴らしいと思います。
夫婦なのに、お互い敬語でしゃべっているのが、すごく新鮮な感じがして良かった。
そして、夫の愛人:秋子役に広末涼子。
いや~意外でしたね。 こういう役も演じることができたんですね。
この作品のなかで、一番印象に残った人物でした。
大谷と心中未遂するのですが、警察署で佐知とすれ違う時の、一瞬の目がすごかったです。
明るい佐知に惹かれる人物は他にも。
妻夫木聡に堤真一、どちらも、役者本来の持ち味が生かされてて、好演でありました。
妻夫木聡は直江兼続よりも、こういう役のほうが似合っていると思います。(^^;
脇を固める役者さんが、すごく上手い人ばかりなので、すごく贅沢な作品だと思いました。
さて、最終的な結論。
・・・・・・ 男は、バカでなさけない。。。。 女はしなやかで強い。
「人非人でも いいじゃないですか」「生きてさえいればいいのよ・・・」
観終わった後の余韻が心地よくて、なんどでも鑑賞したいって思える素敵な作品だと思います。
・・・・桜桃って、サクランボのことだったんですねぇ。(^^;

2009年/日本/東宝/114分/ビスタ/
監督:根岸吉太郎/原作:太宰治/
出演:松たか子、浅野忠信、室井滋、伊武雅刀、広末涼子、妻夫木聡、堤真一/
映画感想50音別INDEX
← クリックお願いします♪
"『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』 ('09初鑑賞149・劇場)" へのコメントを書く