『ヒトラーの忘れもの』('17初鑑賞56・劇場)

☆☆☆☆- (10段階評価で 8)
5月31日(水) パルシネマしんこうえん(名画座)にて鑑賞。
見どころ:
第2次世界大戦終了後、ドイツ兵捕虜がデンマークで地雷処理に動員されたという史実を基に描くドラマ。
恐ろしい体験を共有するうちに、戦時中は敵同士だったドイツ兵捕虜とデンマーク人軍曹が次第に人間として距離を縮めていく過程を丁寧に描写する。
デンマークのマルティン・サンフィリートが監督と脚本を担当。
人間の善と悪の二面性を浮き彫りにする物語に引き込まれる。
あらすじ:
ナチスドイツが降伏した後の1945年5月、デンマークの海岸にドイツ軍が埋めた地雷を撤去するため、ドイツ兵の捕虜が投入される。
まだ幼さの残る10代の少年兵たちを監督するデンマーク軍軍曹ラスムスン(ローランド・ムーラー)は、徹底して彼らをこき使おうとする。
だが、少年兵たちは誤爆や撤去作業の失敗で次々と命を落とし……。
(シネマトゥデイ)

実話ベースの作品。
冒頭、ドイツの敗残兵にナチス・ドイツに対する憎しみをぶちまけるカール軍曹。
彼の家族もおそらくナチスに殺されたんだと思わせる描写。
デンマークの海岸に埋められた何百万個もの地雷。
それらを撤去させられるのが、ドイツの少年兵たち。
地雷の撤去作業はまさしく命がけ。
地雷をこじ開け、信管を取り出す。 その時少しでもぶれることがあれば爆発。
こういう事実のことを、まったく知らずに生きてきました。
しかも、その尻ぬぐいをドイツの少年兵にやらせる。
戦争をおっぱじめたのは、バカな大人たちなのに。
ドイツとデンマーク、立場が変わっても、人というのはこうも残酷になれる。
地雷解体の場面は、本当に心臓に悪い。 でも観ていくうちに、観ているコチラも慣れていく。
慣れたころに、爆発。 観ててビクッとなりました。
カール軍曹も最初はナチに対する憎しみから、少年兵達にも辛くあたるが、徐々に打ち解けて
少年らに笑顔を見せるようになります。 でも・・・・
救いようのない展開、ラストは映画ならではの創作かもしれませんが
生き残った4人の少年兵が無事、ドイツに戻れたと信じて、4人の走る後ろ姿をみるカール軍曹の
表情にかすかな希望を感じました。
この作品は、観ておくべき作品です。
蛇足。
この邦題は、センスない。(--;

(C) 2015 NORDISK FILM PRODUCTION A / S & AMUSEMENT PARK FILM GMBH & ZDF
英題:LAND OF MINE
製作年:2015年
製作国:デンマーク/ドイツ
日本公開:2016年12月17日
上映時間:1時間41分
配給:キノフィルムズ
カラー/シネマスコープ/5.1ch
スタッフ
監督・脚本: マルティン・サンフィリート
プロデューサー: ミケール・クレスチャン・リークス / マルテ・グルナート
撮影: カミラ・イェルム・クヌスン
編集: モリー・マリーネ・スティーンスゴー / ペール・サンドホルト
音楽: スーネ・マーチン
美術: ギテ・マリング
衣装デザイン: シュテファニー・ビーカー
キャスティング担当(ドイツ): ジモーネ・ベアー
キャスト
カール・レオポルド・ラスムスン: ローランド・ムーラー
エベ大尉: ミケル・ボー・フォルスゴー
セバスチャン・シューマン: ルイス・ホフマン
ヘルムート・モアバッハ: ジョエル・バズマン
エルンスト・レスナー: エーミール・ベルトン
ヴェルナー・レスナー: オスカー・ベルトン
他
よろしければ、クリックお願い致します♪
この記事へのコメント