『沈黙 -サイレンス-』('17初鑑賞06・劇場)

☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10)
1月21日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター9にて 14:00の回を鑑賞。 2D:字幕版。
チェック:
遠藤周作の小説「沈黙」を、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などの巨匠マーティン・スコセッシが映画化した歴史ドラマ。
17世紀、キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代初期の日本を舞台に、来日した宣教師の衝撃の体験を描き出す。
『アメイジング・スパイダーマン』シリーズなどのアンドリュー・ガーフィールドをはじめ窪塚洋介や浅野忠信ら日米のキャストが共演。
信仰を禁じられ、苦悩する人々の姿に胸が痛む。
ストーリー:
江戸幕府によるキリシタン弾圧が激しさを増していた17世紀。
長崎で宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が捕まって棄教したとの知らせを受けた彼の弟子ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライヴァー)は、キチジロー(窪塚洋介)の協力で日本に潜入する。
その後彼らは、隠れキリシタンと呼ばれる人々と出会い……。
(シネマトゥデイ)


2時間42分、とにかく「重い」映画です。
なので、体調が良くない時には、観るのはやめたほうがよろしいかと。
さて、自分は仏教徒で、キリスト教に対して良いも悪いも特別な感情はないのですが、信者(信仰者)が権力者に迫害にあったことは、まぎれもない事実であり、また、仏教者もそういう迫害にあった歴史があります。
そのなかで、いかに、社会の底辺にあった民衆がもがき苦しみながらも信仰を続けたか。
そして、その指導者たる宣教師(パードレ)が、どう感じ、なにを経験したか。
原作は未見ですが、彼らの葛藤が克明に描き出されていました。
日本人キャストの演技がミソ。 みんな素晴らしい。
長崎奉行:井上筑後守を演じたイッセー尾形さん、権力者たる、薄ら笑いを浮かべて、甘言を言ったり(いかに良い人を演じる)、その存在感、お見事な芝居です。
塚本晋也さん、の身体をはった拷問の場面や、
キチジロー役の窪塚洋介、人の弱さを体現した役柄はほぼ主役級。
歴史の教科書でもよく見た、「踏み絵」の場面が多く登場します。
クライマックス 主人公:ロドリゴが、「神の教え」をとるのか、目の前の人を助けるのか選択を迫られる。
自分だったら、迷わず踏むんだけども、彼らの苦悩・葛藤が痛々しく描写。
全編にわたって、 劇判音楽はかすかに流れる程度。 エンドロールも環境音だけの静かな作品。
この当時のは、「生きてるうちにしっかり信仰すると、死んだら、パライソ(パラダイス:天国)に行ける」 という教え方だったんですね。 これって、念仏の思想に近いなーと思ってしまった。
死んでから天国行けたって、意味ないやろと思ってしまった私でした。
それはそれとして、映画としては、やはり、棄教したはずのフェレイラが思わず口にした「主の・・・」セリフ、そして、ラストのロドリゴの手にしっかり握られていたもの、それらが、本作の主題ではないかと思うわけです。
権力には屈しない。
リーアム・ニーソンがクワイ・ガン・ジンっぽかったり、長崎の田舎の農民がやたら英語が上手かったりなど、つっこみどころも多少ありますが、外国映画で描かれた「日本」としては合格だと思いました。
是非、体調の良い時に(しっかり睡眠とったあと)、観るべき映画です。(^-^)

(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
英題:SILENCE
製作年:2017年
日本公開:2017年1月21日
上映時間:2時間42分
配給:KADOKAWA
製作会社:Cappa Defina Productions / Fabrica de Cine / Sikelia Productions / Verdi Productions / Waypoint Entertainment
カラー/シネスコ
スタッフ
原作: 遠藤周作
監督: マーティン・スコセッシ
脚本: ジェイ・コックス
撮影: ロドリゴ・プリエト
美術: ダンテ・フェレッティ
編集: セルマ・スクーンメイカー
キャスト
ロドリゴ: アンドリュー・ガーフィールド
フェレイラ: リーアム・ニーソン
ガルペ: アダム・ドライヴァー
キチジロー: 窪塚洋介
通辞: 浅野忠信
井上筑後守: イッセー尾形
モキチ: 塚本晋也
ハル: 小松菜奈
チョウキチ: 加瀬亮
イチゾウ: 笈田ヨシ
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