『母と暮せば』('15初鑑賞91・劇場)




☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10)
12月12日(土) OSシネマズ神戸ハーバーランド スクリーン7にて 16:10の回を鑑賞。


チェック:
「父と暮せば」などの戯曲で有名な井上ひさしの遺志を名匠山田洋次監督が受け継ぎ、原爆で亡くなった家族が亡霊となって舞い戻る姿を描く人間ドラマ。
原爆で壊滅的な被害を受けた長崎を舞台に、この世とあの世の人間が織り成す不思議な物語を映し出す。

母親を名女優吉永小百合が演じ、息子を『プラチナデータ』などの二宮和也が好演。
ほのぼのとした中にも戦争の爪痕を感じる展開に涙腺が緩む。

ストーリー:
1948年8月9日、長崎で助産師をしている伸子(吉永小百合)のところに、3年前に原爆で失ったはずの息子の浩二(二宮和也)がふらりと姿を見せる。
あまりのことにぼうぜんとする母を尻目に、すでに死んでいる息子はその後もちょくちょく顔を出すようになる。
当時医者を目指していた浩二には、将来を約束した恋人の町子(黒木華)がいたが……。

(シネマトゥデイ)







冒頭、長崎の原爆投下の場面があり、それが直接的な描写ではないのだが、ものすごく強烈に印象に残ってしまいます。長崎医大で講義を受けている浩二(二宮和也)の机の上のインク瓶が光(熱線)によって一瞬で溶けて、そのあとの爆風で画面は砂嵐状態。本当にあっというまの出来事。


そしてお話は3年後。浩二がふいに帰ってくる。
遺影に手を合わせている母(吉永小百合)の後ろの階段に腰かけて・・
「あきらめの悪かねぇ、かあさんは」「ちっともあきらめんから、出てこれんかったよ」


その後、たびたび現れる息子と話す母。


まるで、舞台のお芝居をみているかのような、二人の会話劇がメイン。
ニノのセリフもどこかオーバーな表現。


亡霊となって表れた息子。やはり彼女のことが気になる。
でもそれだけではなぜ「3年後」なのか。その答えはラストで描かれる。


母は本当に息子(亡霊)と話していたのか。そんなことを考えるとさらに切なくなる。


母の夢に現れた長男の姿、黒澤明監督『夢』のトンネルの場面の兵隊たちの姿を思い出した。
幼い子が観たら、悪夢を観そう。

山田洋二監督は今回ファンタジー映画を撮ったと言ったそうな。




実際、こういう話、聞いたことあります。
以下ネタバレあり。映画観る人は読まないように。














・・・迎えにきてるんですよね。
「かあさんも、もう、こちらの人になりつつあるよ。さぁ、いこう」


このラスト・シーンで涙が止まらなくなった。
ただこの場面は、各個人の宗教観でいかようにも解釈できると思います。

カトリックの広報が推薦しているということもあって、母と息子はカトリックの信者。
その死後の世界も、キリスト教の世界観に近いと思った。




戦争というものは、死んだ故人も、そして生き残った者をも、ずっと苦しませるものだということ、この作品を通して、学べると思います。


ただ、二人の会話がずーっと続く、そして昭和家屋の薄暗い空間での場面がほとんどなので、観ていて、しんどくなるのも確かです。


ですが、大ベテラン 吉永小百合(どんな作品でも「吉永小百合」なんだけどね。(^^;)、若手でもかなりの演技力 二宮和也の二人芝居は観る価値あります。
ぜひご覧下さい。





(C) 2015「母と暮せば」製作委員会
製作年:2015年
製作国:日本
日本公開:2015年12月12日
上映時間:2時間10分
協賛:ソフトバンク / 日本郵便
特別協力:JR東日本 / 久光製薬 / ネクスト
宣伝協力:シャープ
オリジナルサウンドトラック:commmons
推薦:カトリック中央協議会広報
題字:100%ORANGE
製作:「母と暮せば」製作委員会
制作・配給:松竹
カラー/ビスタ

スタッフ
監督・脚本: 山田洋次
音楽: 坂本龍一
脚本: 平松恵美子
企画: 井上麻矢
プロデューサー: 榎望
撮影: 近森眞史
美術: 出川三男
照明: 渡邊孝一
編集: 石井巌
録音: 岸田和美

キャスト
福原伸子: 吉永小百合
福原浩二: 二宮和也
佐多町子: 黒木華
黒田正圀: 浅野忠信
上海のおじさん: 加藤健一
富江: 広岡由里子
風見民子: 本田望結
復員局の職員: 小林稔侍
年配の男: 辻萬長
川上教授: 橋爪功





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