『マイウェイ 12,000キロの真実』 ('12初鑑賞11・劇場)

☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10)
1月14日(土) OSシネマズ ミント神戸 スクリーン8にて 16:30の回を鑑賞。
解説:
アジアからノルマンディーまでを生き抜いた東洋人の壮絶な人生と人間の本質を描く
トゥルーストーリー。監督は、『ブラザーフッド』のカン・ジェギュ。
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』のオダギリジョーと『PROMISE プロミス』の
チャン・ドンゴンが、運命のいたずらで日本、ソ連、ドイツの軍服を着て戦うことになる
男たちを演じる。
240日間にも及ぶアジアからヨーロッパの大陸横断撮影を敢行して作られた、壮大な
スケールの作品世界に酔いしれたい。
あらすじ:
第2次世界大戦末期、ノルマンディー上陸作戦後、ドイツ軍捕虜の中に1人の東洋人が
発見される。話す言葉もわからない中、連合軍の尋問を受けた彼が語り始めたのは、
にわかに信じ難い物語だった。
1928年、日本統治下の朝鮮。そこには、頑なに国を信じた辰雄(オダギリジョー)と、
ひたむきに夢を信じたキム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)がいた。
(シネマトゥデイ)

いろんな批評がありますが、当BLOGでは、いち映画作品としての私個人の純粋な「感想」を
書いております。 ナショナリズム云々等、韓国映画やからどーのこーのはあまり重要視して
おりませんのでご了承ください。
戦争映画らしい戦争映画をみたなぁ~と大満足でした。(^-^)
韓国映画だけど、ほとんどが日本語。そして韓国語、中国語、ロシア語、ドイツ語、英語が
飛び交っています。
日本人の「軍人」の描き方は、さもありなん。といった感じです。
私は戦争に行ったことないので(行きたいとも思わん。)、あくまでも想像でしかありませんが
まさに地獄の状況下で、人間らしさを保っていたのは、ごく少数だったのではないでしょうか。
日本人の軍人に限らず、韓国人も中国人もロシア人もドイツ人もアメリカ人も、そういう地獄に
放りこまれたら、まともな精神状態を維持するのは難しいでしょう。
この映画では、日本人の軍人の非人間性を描いている尺が長く感じますが、韓国人・中国人
からみたらそう見えるんやなぁと、そういう部分は割り切って見るべし。
そしてこういう軍人もいたでしょう。そうでない軍人もいたでしょう。
そして立場が変われば、やはり同じことをしている。因果応報です。
戦争を描いた映画ではないと作り手は言っているそうですが、感じ方は人それぞれ。
戦争の愚かさ、残酷さ、アホらしさがしっかり描かれていると思いました。
チャン・ドンゴンをはじめとする韓国の俳優さんは、セリフの大半が日本語なのに、しっかりと
演じていました。 韓国の俳優さんたちのプロ意識に拍手。
日本人の俳優陣も意外とベテランが揃っていて、オダギリジョーは前半と後半の心境の変化を
しっかりと演じております。
チャン・ドンゴンが主役みたいなことを言っている方もいますが、オダギリジョーの演じた役は
役者としては、非常に演じがいがあったのではないでしょうか。
脚本に関しては、韓国映画的ご都合主義&ベタな部分が多少気になったのと、
中国からの出演者 ファン・ビンビンの出番が少なすぎるのと、「割り切ってみるべし」と
言っておきながらなんですが、日本人を鬼畜に描くのも、ほんま、そろそろええかげんにせえよと
思ったのも確かな事実です。(^^;
人間ってのは矛盾する生き物なのだ。
でも映画的興奮は感じましたし、戦闘シーンの迫力は日本映画では絶対無理なレベル。
映画としては、心底楽しませていただきました。
主演二人のノルマンディーでの別れの場面では涙しましたし、ロンドン・オリンピックの
マラソンのラスト・シーンも映画的にきれいにまとまっていたと思います。(^-^)
・・・というわけで、本年最初の☆☆☆☆☆ 差し上げます♪

2011年/韓国/145分/シネスコ/
監督・脚本:カン・ジェギュ/音楽:イ・ドンジュン/
出演:チャン・ドンゴン、オダギリジョー、ファン・ビンビン、キム・イングォン、キム・ヒウォン、オ・テギョン
キム・シフ、チョン・ホジン、夏八木勲、鶴見辰吾、山本太郎、佐野史郎/

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