『シングルマン』 ('11初鑑賞139・WOWOW)

☆☆☆★- (10段階評価で 7)
10月12日(水) WOWOWシネマの放送を録画で鑑賞。
解説:
ファッションデザイナーとして成功を収めたトム・フォードが、かねてより熱望していた
映画監督として初メガホンを取った人間ドラマ。
「ベルリン物語」などの著者クリストファー・イシャーウッドの小説を基に、亡き愛する
者のもとへ旅立とうとする中年男性の最期の一日を感動的に描く。
主人公の大学教授を演じるのは『マンマ・ミーア!』のコリン・ファース。彼のかつての
恋人を、『ブラインドネス』のジュリアン・ムーアが演じる。
絶望の底で孤独に苦しむ主人公が見つける、何げない幸福が胸に迫る。
あらすじ:
1962年11月30日。
8か月前に愛する人を失ったジョージ(コリン・ファース)は、この日で人生を終わらせ
ようと、死の準備を着々と整えていた。
ところが大学での講義は熱を帯び、いつもならうっとうしい隣の少女との会話に喜びを
抱く。そして遺書を書き上げたジョージに、かつての恋人チャーリー(ジュリアン・ムーア)
から電話が入り……。
(シネマトゥデイ)

どんな作品なのか、なんの予備知識もなく鑑賞しました。
冒頭の事故の場面(男性の遺体にキスをする)でゲイのお話とちゃうか?と思い、
ちょっと躊躇(ちゅうちょ)した。(^^;;
ジョージ(コリン・ファース)は愛する彼氏を事故で亡くして幾月。
画面は色彩を抑えたセピア調。彼の孤独な心情を表わしているかのようです。
ところが、他者との触れ合い・対話する場面では、顔に色味が増し、周りの風景も
とたんに色鮮やかになります。
英語のことはよく解らんが、コリン・ファースの英語はすごく耳に心地良い。
彼らの会話も、なんだか、名曲を聴いてるような素敵な響きがします。
脚本も上手いんでしょうね。
街で出会ったラテン系の男娼と故郷のことを話す場面も、この会話をずっと聴いていたい
と思ったぐらいですから。
さて、着々とこの世とおさらばする準備を進めるジョージ。
ベッドの上で、拳銃を口に入れて、”その時”の予習をする。
あれやこれやと体勢を変えてみたり、銃の持ち方を変えてみたり、なぜか寝袋に入って
みたりと そんなときに電話が鳴って、かつての恋人(ジュリアン・ムーア)のもとへ。
ひと時を過ごして、近所のバーに行くと、教え子が入ってきて、共に飲むことに。
教え子の純真な眼差し。(美少年なのよねぇ。)
教え子と対話するうちに、自殺を思いとどまって、拳銃を机に入れて鍵をかける。
でも、突然の・・・・・・・。
このラストシーンをどう捉えるべきでしょうかね。
せっかくもういちど生きていこうと思ったのに、事故死した彼氏の愛情のほうが
深かったのでしょうか。
なんだか深い余韻を残しながら映画は終了。
しっかし、60年代とあって、街中、喫煙者ばっかり。(--;
初監督作とは思えないほど、映像美にあふれ、音楽も美しく切ないメロディーです。
すごくセンスの良い作品だなぁと思いました。

2009年/アメリカ/101分/シネスコ/
監督・脚本:トム・フォード/原作:クリストファー・イシャーウッド/音楽:アベル・コジェニオウスキ、梅林茂/
出演:コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、マシュー・グード、ニコラス・ホルト/

この記事へのコメント