『海洋天堂』 ('11初鑑賞102・劇場)

☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10)
7月23日(土) シネ・リーブル神戸 シネマ3にて 14:45の回を鑑賞。
解説:
『ロミオ・マスト・ダイ』などの世界的アクションスター、ジェット・リーが得意のアクションを封印
して挑む父と子の感動のドラマ。自閉症の息子を持つ父と、その一人息子の愛情にあふれた
日常をそっと見守る。
今回初メガホンを取るのは『北京ヴァイオリン』などの脚本家、シュエ・シャオルー。
中国の若手注目俳優のウェン・ジャンが、自閉症の青年という難役を見事にこなしている。
絶望のふちからはい上がる父子の再生の物語に目頭が熱くなる。
あらすじ:
水族館勤務のシンチョン(ジェット・リー)は、21歳になる自閉症の息子ターフー(ウェン・ジャン)
を男手ひとつで大切に育ててきた。
ある日シンチョンはガンで余命わずかと診断され、息子の将来を案じて心中を図る。
だが、泳ぎの得意なターフーが海面に顔を出したため、シンチョンは息子に一人でも生きて
いけるよう教育することを決意する。
(シネマトゥデイ)

まったくアクション・シーンのないジェット・リーの演技と、大福(ターフー)役のウェン・ジャン
の見事な演技に、最後は思いっきり泣かされてしまいました。
自閉症の21歳になる息子を、男手ひとつで育てあげたシンチョン(ジェット・リー)。
オープニング、青い穏やかな海で、衝撃的な出来事から物語ははじまります。
緩やかで美しい旋律を奏でる音楽を担当しているのは、久石譲。
シンチョンは末期の肝臓ガンを患っており、自分が死んだあと、息子はどうやって生きていく
のか、そのことだけが心配。
具体的に、朝ご飯の卵の割り方、バスの乗り方・降り方、掃除の仕方 などなどを
ひとつひとつ丁寧に教えます。
シンチョンの根気、粘り強さ、 心の底から自閉症の息子を心配して心の底から愛している
彼の行動は、とにかく地味に続けること。でも、それしか息子が独りで生きていくことはできない。
演出面でも、決して大げさにオーバーには描いていなくて、むしろ かなり あっさりとした演出。
それが、逆に観る者の心に響くのですよね。
“平凡にして偉大なるすべての父と母へ”
この言葉、どっかで聞いたような気がします。珠玉の言葉だと思う。
あまり多くを語るより、映画を見て感じてほしいと思います。(^-^)

2010年/中国/98分/ビスタ/
監督・脚本:シュエ・シャオルー/音楽:久石譲/撮影:クリストファー・ドイル/
出演: ジェット・リー、ウェン・ジャン、グイ・ルンメイ、ジュー・ユアンユアン、カオ・ユアンユアン、ドン・ヨン/

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