『アメイジング・グレイス』('11初鑑賞61・劇場)

☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10)
5月2日(月) シネリーブル神戸 シネマ3にて 11:55の回を鑑賞。
解説:
18世紀のイギリスを舞台に、名曲「アメイジング・グレイス」の誕生と、その曲と共に闘った政治家
ウィリアム・ウィルバーフォースの生きざまを描く感動のトゥルーストーリー。
監督は、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』のマイケル・アプテッド。
主人公のウィルバーフォースを、『ファンタスティック・フォー』シリーズのヨアン・グリフィズが演じる。
仲間と共に歴史を動かした男の姿と、「アメイジング・グレイス」の美しく気高い旋律が感動を呼ぶ。
あらすじ:
若くして政治家となったウィルバーフォース(ヨアン・グリフィズ)と、彼と同じ志を持つ友人のピット
(ベネディクト・カンバーバッチ)。イギリスの主収入源である奴隷貿易に心を痛め、現状を打ち破る
べく闘う2人だったが、想像以上の苦戦を強いられる。
ウィルバーフォースを支えていたのは、師が作詞をした「アメイジング・グレイス」だった。
(シネマトゥデイ)

2006年の作品で、やっと、全国随時ロードショー。 神戸では このGWに公開となりました。
監督は、この作品のあとに『ナルニア国物語 第3章』を手掛けた、マイケル・アプテッド。
色んな映画を観てるとよく耳にする名曲「アメイジング・グレイス」にまつわる作品かと思っていましたが
その曲を励みにして、奴隷制度廃止に突き進む若き政治家のお話でした。
「アメイジング・グレイス」の歌詞の意味が、この作品で、胸に突き刺さってきました。
かつて奴隷船の船長をしていた男が、自らの行いを懺悔して、したためたものだったと。
映画では、アフリカから過酷な航海をへて連れてこられる奴隷の直接的な映像は一切ありません。
(600人連れてきて、航海中半分が死ぬ。)
なにも知らない貴族たちと同じような状況で、ウィルバーの訴えを聴き、奴隷船を外側からみて
その悪臭(死の臭い)を感じさせる手法です。
だがその訴え(法案)も、提出するたびに否決されます。
その間にフランス革命が起き、また、フランスとの戦争がはじまり、法案は否決を繰り返します。
もとからあまり身体の強くないウィルバーは病気になり、なんども挫けそうになりますが、
まわりの仲間たちの支えもあって、ついに法案を可決させるまでを描いたものです。
奴隷制度廃止法案を通すのに 16年もかかったんですね。
まさに不撓不屈の精神がなければ、成し得ない大偉業。
法案が可決された瞬間には涙が流れました。
アメリカのリンカーン大統領以前(半世紀以上前)に、奴隷制度を廃止させた人物が、イギリスに
いたってことを知ることができただけでも、この作品を観る価値は大きいと思う。
ウィルバーの偉業を、今の政治家はしっかりと勉強しないとだめですよ。
特に今の日本の政治家は、どうしようもないあほばっかり揃ってますから。
(そういうのを選んだほうにも問題はあるけどね。。。)
「アメイジング・グレイス」が流れるのは、劇中3回だけ。(歌唱:2回、演奏:1回)
曲の使い方が、実に巧みですね。
人生において、絶対観ておいた方が良い作品のひとつだと思います。(^-^)

2006年/イギリス/116分/ビスタ/
監督:マイケル・アプテッド/脚本:スティーヴン・ナイト/
出演:ヨアン・グリフィズ、ロモーラ・ガライ、ベネディクト・カンバーバッチ、アルバート・フィニー、
ルーファス・シーウェル、ユッスー・ンドゥール、マイケル・ガンボン、キアラン・ハインズ/

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